お笑い芸人の又吉直樹さんが芥川賞を受賞したというニュースが飛び交っていましたね。
ぼくは、芥川賞という名前は聞いたことあって日本の純文学の最高峰だっていうのは知っているけれど、「芥川賞らしい作品」というのがどんなものなのかイマイチぴんとこない。 でも、実際に彼の書いた『火花』を読んで最終的にはおもしろい、引き込まれるような文章を書くなって思いました。
冒頭は正直スゴくつまらなかった
読み始めた当初の感想は「あれ?もしかしてこういう文章苦手かも?」という感じ。
彼の書く文章だったり言い回しだったりが、ぼくの心地良い部分とまったくかみ合わない。ひとつひとつの描写がすごく丁寧にというか、独特の感性で書かれてあるのですんなりとぼくの中に落ちてこない。
頭で一生懸命情景をイメージしようとしながら、読んでいた。 そんな印象でした。
つまらなかったというよりも、その表現方法についていけなかったといった方が正しかったかもしれません。
あるポイントをきっかけにイッキ読み
そんな感じで、「これ最後まで読む気になれないかもしれないな・・・」なんて感じながら読んでいたのですが、あるポイントを経たとたんに一気に物語に引き込まれていきました。
そこから先は、本当にイッキ読み。 言葉がどんどん入ってくるし、その情景も鮮明にイメージできるような感じ。
今になって思えば、読み進めていくうちに作者の作品にぼくの頭がチューニングされていったのかな?って思います。
そして最終的には、完全にその世界に取り込まれてしまい時間を忘れて読みふけられる内容の作品だと思います。
この小説は決して綺麗に作られたという印象はないんですが、なんだか心に訴えかけるような熱いものを感じました。
テレビでは無口な又吉さんですが、そこからは想像できないようなしっかりとしたものを感じ取れるような作品だと思います。
欲を言えばラストは少し違うようにして欲しかった。
せっかくのめり込んでいたものが、スッと引いていくような感覚のラストは個人的にはチョット・・・でした。
一度は読んでみることをおすすめします
火花 | ||||
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